義務教育期間は、様々なことに挑戦し、経験し、そこから多くを学び、吸収していく時期だと考えます。浅くても、広く学んでいく中で、自分を見つけていくのだと思います。多くの生徒が、中学卒業後も進学する世の中ですが、それまでに、夢や目標に近づけるようにあるいは、将来に向けてよりよい生き方ができるよう、たくさんのことを経験しなくてはいけないはずです。その「たくさんのこと」の「バランス」も重要ではないかと思います。
学校の限られた時間数の中で、教科のバランスは保てないものでしょうか。現在の図工・美術の時間も個人的には少ないのだとも思いますが、義務教育期間だからこそ、全員が取り組み、力をつけて欲しいと思います。 先日、秩父市で行われた「郷土を描く児童生徒美術展」を見に行きました。会場はたくさんの親子、家族で賑わっていました。その会場に「応募点数432,334点」の表記がありました。テーマが同じでも、描いてる場所が同じでも、表現技法が同じでも、同じ作品はあり得ませんよね。なぜなら、「作品=自分自身」だからです。 図工・美術で身に付く力は何でしょうか。端的に言えば、4つの観点にある資質や能力ということになるのでしょうか。「うまく言葉にできないけれど、教科なんだから何かしらあるだろう」というのが保護者や一般的な考えのような気がします。ここが弱い部分かもしれません。 実際、表現や鑑賞の活動を通して、考えたり、感じたり、発見したり、共有したり、試行錯誤してつくり上げたときの児童生徒の喜びは、何物にも代え難いと思います。それは、得意不得意関係なく、その子にとってかけがえのない時間であり、経験であり、これらの活動を通して、他の教科では得られない知識や技能が身に付き、感性が育まれるのだと思います。また、これらは、授業で行うことが大変重要だとも思います。それは、友達とのかかわり(環境も含めて)が学習を深めるからです。(これは、他の教科と同じかもしれません。) どの教科においても、「わかる授業」が大切です。図工・美術において「わかる」とは、「発見;気づき」だと思います。単に知識として教え込まれるのではなく、体感しながら獲得していき、自分で表したり味わったりしていくことは、この教科の大切な部分だと考えます。 最後に、現在「つくりだす喜びを味わえる学習指導の研究」をさせていただいています。まだ、研究半ばではありますが、子ども達一人一人が主体的に学ぶことで確かな学力を育めるように、微力ながら努めていきたいと思います。 板橋利行 38歳 男 埼玉県 小学校教諭
by zoukeidaiji
| 2005-11-30 19:49
| 小学校
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